書評:「コロナとバカ」ビートたけしが2020年の世相を斬る一冊

芸能系

「コロナとバカ」という本を読みました。


著者はビートたけしです。
説明不要の有名人ですね。
ビートたけしは毎年、その年の世相を斬る一冊を発刊します。
以前も「芸人の影」という本を紹介したことがあります。
これは2019年の世相を斬る本でした。

書評:ビートたけし著「芸人と影」2019年の世相を斬る一冊
毎年、恒例の一冊この本は「週刊ポスト」に連載中の記事の中から、特に反響が大きかった内容と、書き下ろしを加えた内容で構成されています。ビートたけしは、ほぼ年に一度、こういう構成の本を発表しています。それの2019年版となります。闇営業問題に触

「コロナとバカ」は2020年の世相を斬る本となっています。
「週刊ポスト」に連載している「21世紀毒談」というコーナーの中から精選したエピソードと、新たに語りおろした内容をまとめたものになっています。
挑発的なタイトルですが、元が「毒談」ですから、当然といえば当然かと。

「コロナとバカ」内容

三章とおまけ記事という構成となっています。

第一章:コロナが炙り出した「ニッポンのバカ」

まず、たけし自身のコロナに対する姿勢から述べられています。
「自分はバイク事故で生死の境をさまよってから、いつ死んでもかまわないと言っているが、それなのに、なぜテレビ番組にリモート出演をしているのかというと、他の人間にうつすのが怖いからだ」ということです。
決して、死を怖がっているわけではないんだと初めに力説されていました。
この章で槍玉に挙げられているのは、主に政治家でした。
菅総理、小池東京都知事、吉村大阪府知事、トランプ大統領といった面々です。
なお、コロナによる影響で芸人が不要不急の存在になっていることも嘆いていました。
というより、もはやあきらめているような文面でした。
コロナ時代に生き残るのは、スタンダップコメディアンだということで、綾小路きみまろの名前を挙げていました。

第二章:さよなら、愛すべき人たちよ

この章では、コロナ禍の中で亡くなられた芸能人たちに触れられていました。
まずは志村けんさんについて、一番に挙げられていていました。
「全員集合」と「ひょうきん族」が争った時代のことや、個人的な付き合いで感じた志村さんの人柄について述べられていました。
「志村けんは関西からやってくるお笑いに対する最後の砦であり、防波堤だった」という一文が印象的でした。
他では、渡哲也さんはかっこよかったという話や、三浦春馬や竹内結子の自殺などについても言及されていました。
自殺が増えていることについても触れられていて、「若者はスマホを捨てて街に出ろ」とも。

第三章:ニュース・テレビの「お騒がせ事件簿」

この章では、岡村隆史のフーゾク発言や、渡部建の多目的トイレ不倫などの芸能人を斬るネタが主でした。
お笑い第7世代や立川志らく、槇原敬之、伊勢谷友介らにも触れられていました。
伊勢谷友介については、映画で起用した際、あまりいい印象を持っていなかったとのこと。
東大生タレントにも触れられていて、「クイズ番組に出ている暇があったら、ウイルス研究でもしていろ」とスパッと斬っているのが痛快でした。

番外編:2020年の「ヒンシュク大賞」を決定する

「これぞ、”不要不急”の爆笑企画!」と冠された恒例の企画です。
2020年で一番ヒンシュクを買ったのは誰かを決定するわけですが、候補者として、河合議員夫妻、岡村隆史、渡部建などの名前が挙げられていました。
誰がどういうふうに選ばれたかは、本を読んでみてください。

私的感想

個人的にビートたけしの本が好きで、近年発売されたものは、小説からこの手の世相を斬る本まで、ほとんど読んでいます。
小説とは違い、すべて話し言葉で書かれているので、読みやすいですし、相変わらずの毒舌ぶりが健在で、爆笑することができました。
テレビでは少し滑舌が悪く、リモート出演で、コメントの間が悪くなっているのを感じますが、本の中ではまだまだ健在です。
ビートたけしの芸風が好きな方は楽しめる本だと思います。
手にとって読んでみてください。

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