標題の本を読みました。
作者はM.W.クレイヴン氏。
不勉強なので、他の作品は知りません。
この作品は英国推理作家協会が最優秀長編作品に与えるゴールドダガー賞を受賞しています。
ストーンサークルの殺人・あらすじ
舞台は英国カンブリア州。
その地にはストーンサークルが点在しているのですが、そのいくつかあるストーンサークルで、次々と焼死体が発見されます。
犯人は殺した相手に相当恨みがあるのか、死体は損壊されています。
三人目の焼死体が発見されたとき、なぜか被害者の身体に停職中の警察官ワシントン・ポーの名前と5という数字が刻み込まれていました。
まったく身に覚えがない主人公ワシントン・ポーですが、このことをきっかけに停職を解かれ、事件に関与していきます。
やがて事件は意外な展開に……
私的感想
猟奇的な殺人が発端であり、ストーンサークルなんて舞台を使っているので、ホラー、オカルト的要素が強い作品かと思って読み始めたのですが、実際はまったく違うタイプの作品でした。
かと言って、期待を裏切られたわけではなく、むしろ楽しめました。
主人公はいわゆる型破りなタイプの刑事で、それ自体はよくある設定ですが、やはり読んでいて痛快な気分にさせてくれます。
とはいえ、ただ無茶苦茶な人物ではなく、丹念に証拠を集め、事件を解決していく面もあります。
色々と暗い過去も持っています。
後半、次から次へとあきらかになります。
相棒となるのは、ティリーという女性なのですが、この人はIQが高く、コンピュータを使わせれば非常に有能なのですが、いわゆるコミュ障というやつで、初めは同僚たちから馬鹿にされてもいます。
このいわゆる凸凹コンビが、事件を解決しながら互いに成長していく過程も面白く、バディものとしても楽しめます。
事件の謎解き要素はそれほどなく、推理をするというより、むしろストーリーを楽しむという感じでしょうか。
572ページもあり、69の章に分かれているのですが、1章あたりの分量は多くなく、早いテンポでストーリーが進んで行きます。
なので、非常に読みやすいです。
後半は特に急展開という感じで、一気にページをめくらせてくれます。
読後感もよく、ぜひ手に取って読んでいただきたいですね。
なお、英国本国ではシリーズ化されており、日本でも続巻が待たれるところです。
映像化も決まっているということで、これまた興味深いところです。
日本でも見られる日が来るでしょうか……
楽しめる本なので、秋の夜長にお供の一冊としてどうですか?
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